今シーズンいまだ一軍登板なし。斎藤佑樹「もうこんな時期......焦りはある」 (2ページ目)

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Ichikawa Mitsuharu(Hikaru Studio)

---- それはヒジを痛めた影響もあるのでしょうか。

「右ヒジのせいか、年齢のせいなのか、それとも技術的なことが理由なのか......明らかにフォーシームのスピードが遅くなっていて、今は変化球に頼らざるを得ない。そういうなかで、僕が持っている手持ちのカードを全部、フルに使うことで、思い描くバッターとの対峙の仕方は何とかできていると思います。だから自分のなかではピッチングをしているなという手応えはあるんですけど、さらに3年くらい前に投げていた"あと5キロ速いフォーシーム"があれば、それだけでもっと幅が広がるのになと思うんです」

---- そのフォーシームに関しては、3年前と比べて何が、どう変わってしまったと感じているんですか。

「身体の筋量は数年前からほぼ変わっていません。だから身体のなかにあるものは変わっていないはずなんですけど、肩やヒジが痛かったことによって最後の押し込まなきゃいけないところで押し込めなくなっている。最後、押し込む時って関節にその力が全部かかってくる感覚があって、それが3年前まではあったんです。ちゃんと全部がガチッとはまって、押し込める。それが今はどこかを抜かないと痛いか、痛くなるかもしれないという不安があります。だから押し込めない」

---- 実際に痛くなったことはあるんですか。

「あります。今も痛みはあります。ヒジではなく、肩にきますね」

---- となると、不安や痛みをなくした状態でフォーシームを投げられるように戻したいという気持ちと、今のフォーシームを受け入れて手持ちのカードで勝負しようという気持ち、どちらが強いんですか。

「それは半々ぐらいです。もっと強いフォーシームがあったらラクに投げられることは間違いないんですけど、それを求める時間が僕にはないこともわかっています。だから、今は手持ちのカードを目いっぱい使ってやるしかないと腹をくくっています」

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