巨人「セカンド争い」の歴史。篠塚和典→仁志敏久に続き「不動」となるのは誰だ (4ページ目)

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by Jiji Photo

 高橋由伸監督1年目の2016年は、推定年俸4億8000万円の2年契約で獲得したルイス・クルーズ(2016-2017)が大誤算。前年まで所属した千葉ロッテで見せたような活躍はほとんど拝めず、故障による長期離脱などでスタメン出場は71試合にとどまった。

 その穴埋めは山本泰寛(2016−2020)18試合、片岡17試合、脇谷13試合、吉川大幾(2015−2020)8試合、辻東倫(2013−2018)7試合、中井6試合、寺内2試合、藤村1試合。多くの選手にチャンスが与えられたが、誰も生かせなかった。

 2017年は、長打力が魅力のケーシー・マギー(2017−2018)を阿部慎之助、村田修一と共存させるために、サードのほかにセカンドでも60試合にスタメン起用した(次いで中井46試合)。苦肉の策で大砲揃い踏みを実現させたものの、球団史上最長の13連敗を喫するなどしてリーグ4位。2006年以来のBクラス転落となった。

 2018年はドラ1入団2年目の吉川が67試合、ドラ5入団ルーキーの田中俊太(2018−2020)が43試合にスタメン起用されるなど、計6選手がセカンドの先発で起用された。

 3度目の原体制が誕生した2019年、最多スタメン起用は若林で57試合。ほかは山本41試合、田中24試合、吉川11試合、増田大輝(2016−)8試合だった。2020年の最多スタメンは吉川で87試合。若林は10試合、増田は4試合と前年より減らし、北村は13試合に増やした。また、シーズンオフには山本を阪神へ、田中をDeNAに放出した。

 そして今シーズンの巨人は、8月20日までの91試合で吉川38試合、北村20試合、若林18試合、増田と廣岡大志(2021−)が各5試合、そのほか3選手を5試合でセカンドのスタメンに起用している。

 吉川が抜群の身体能力で攻守に高い潜在能力を発揮しながらミスを減らして首脳陣の信頼度を高められるのか。それとも若林が勝負強い打撃と俊足で内外野を守れるユーティリティーさでチャンスを掴むのか。はたまた、北村が安定した守備力と選球眼のよさプラス成長をとげる打撃でアピールするのか。

 リーグ3連覇に向けて首位・阪神を追いかけている巨人。セカンドのレギュラー争いが高い次元で繰り広げられれば、ペナントの行方を大きく変えることになりそうだ。

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