山本昌が語る名将3人との秘話。星野、落合監督の順番が逆だったら現役を長くは「やれていなかった」 (3ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Kyodo News

「ドラゴンズの大野(雄大)投手、巨人の菅野投手かな。でも、今、一番エースっぽい風格を漂わせているのが涌井投手(秀章・楽天)ですね。沢村賞を始め最多勝のタイトル(4回)を取っていますが、とにかくすごいのが打たれても抑えても淡々としていること。菅野投手は気合いが表面に出るんですけど、涌井投手は底が見えないというか、ピッチングの凄みというのを感じます。なんかエースっぽいなという感じがしますね」 

 日本では最近、オリックスの宮城投手ら活きのいい若い投手が活躍しているが、メジャーでの注目はなんといっても大谷翔平だろう。投打に活躍する二刀流だが、30本以上のホームランを打ち、160キロの剛速球を投げ、アメリカのファンを熱狂させている。

 大谷は、エースに成り得る存在なのだろうか。

「いつか体の負担を考えて、打者か投手かに絞らないといけなくなった時、僕はバッターで挑戦してほしいなって思います。これは日本にいる時からそう思っています。実際、今アメリカでは投手としての成績は上がっていないですけど、バッターとしてはホームランを量産していますし、オールスター戦でホームラン王争いをしました。打球も早くて、本当に怖いバッターなので、打者に専念したら成績がもっと上がると思います」

 山本昌さんは元投手ゆえに打者として打席に立った時の大谷の怖さ、魅力をよく理解しているのだろう。

 山本昌さんは、エースとして活躍した現役時代、ふたりの個性的な監督の下でプレーしている。星野仙一元監督と落合博満元監督だ。

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