山田哲人&村上宗隆、「語り継がれるような」3・4番コンビへ。「オレらが打たなあかん」

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Sankei Visual

 話は少し逸れるが、今シーズン、山田は自ら志願してキャプテンに就任した。若い選手たちに積極的にアドバイスするなど、その姿はこれまでと明らかな変化を感じる。山田は言う。

「若い選手たちには『チームのために頑張りなさい』とはあまり言わないようにしているんです。みんな生活がかかっていますし、まずはしっかり個人で結果を残してほしい。そのための取り組み方だったり、そういうことは言うようにしています。どうすれば試合で活躍できるのか......結果的にそれがチームの勝ちにつながると思いますし」

 4月23日、神宮球場での中日戦は、山田と村上が名実ともにリーダーとしてチームを牽引する象徴的な試合となった。

 この日から、新外国人のホセ・オスナとドミンゴ・サンタナがチームに合流したのだが、山田と村上が一緒になって彼らのもとへ歩み寄り談笑。試合では、山田が2本塁打を含む3安打3打点の活躍を見せると、村上も負けずに3安打1打点と、チームを勝利に導いた。

 試合後、高津監督は満足そうな表情でこう語った。

「(山田が打って)ムネがすごくうれしそうにしていましたけど、3・4番がしっかり出塁し、走者を還すことができたら打線が締まりますよね。哲人とムネは、ひと振りで試合の空気をガラリと変えることができるし、それはチームが望んでいることです」

 山田と村上に、コンビとしてチーム内でどんな存在でありたいのかを聞いてみた。

「やっぱり打線の中心ですし、『僕らが打たないと勝てない』という思いでやっています。実際、村上とは『オレらが打たなあかんな』と話していますし、そこはしっかり自覚を持ってやっています。これからもそこは変えずやっていきたいと思います」(山田)

「僕は哲人さんのあとを打っていて、本当に頼もしいというか、気楽に打席に立てるのですごく助かっています。どちらかの調子が悪い時はカバーして、1試合でも多くチームを勝ちに導けたらと思っています。これからもずっとヤクルトの3・4番として、常にチームを引っ張っていきたいですね」(村上)

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