清宮幸太郎の重大な欠点を元日本ハム二軍監督が指摘「フォームに課題がある」

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Koike Yoshihiro

 しかし現状、グラウンドでのパフォーマンスにはつながっていない。大事なのは力をつけることではなく、野球のプレーに結びつけることだと田中氏は指摘する。

「筋量を増やして体幹を鍛え、軸がしっかりして崩れない姿勢を作れれば、しっかり体の回転を使って腕が振れ、スイングスピードが上がります。清宮はリストが強くて手首の使い方は上手だから、打球を飛ばすことができる。足の力と腰の回転の速さが加われば、もっと腕を振れ、スイングのスピードも出てくると思います」

 肉体と技術を磨くことに加え、重要になるのが頭の整理だ。開幕3日前の3月23日、栗山英樹監督は清宮を登録抹消する際、こう話している。

「すごく頭の中が混乱しているように見える。試合中に打ち方が変わったりする」(3月24日付け「スポーツニッポン」電子版より)

田中氏も同様の課題を感じている。

「ボール球に手を出したり、初球から合わせて打つような姿勢が見えたりします。結果が出ないと、どうしても迷うことはありますからね。でも二軍にいる間は、追い込まれるまではすべてフルスイングで打ち返すことをやってもいいと思います」

 鳴り物入りで入団して4年目。清宮はスポットライトを浴びる場に立てず、影を潜めている。

 課題は打撃だけではない。高校時代から指摘される守備の問題も抱えたままだ。打てない、守れないでは、どんなに潜在能力を秘めていても首脳陣としては使いにくくなってしまう。だからこそ、田中氏は下半身のトレーニングを勧める。

「バーベルを担いでスクワットをするだけでも下半身の筋力がアップします。あとは瞬発系のトレーニングですね。走るにしても、ダッシュ系をやるとか。下半身が鍛えられれば、バッティングにいい影響が出てくる可能性もあります」

 今は人目の少ないファームで過ごす一方、周囲の期待は依然として大きい。入団してから本人が重圧をどう受け止めてきたか、その胸の内は知るよしもないが、求められるのは豪快な打撃だ。高いスケールとスター性を秘めるからこそ、4年前、7球団が1位指名した。

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