岩瀬仁紀が東京五輪「侍ジャパン」に絶対に入れるべき19人を選出 (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro

 DHに誰を入れるのか、非常に悩みました。いくら打力がある選手であっても、実際に誰が活躍するかなんてわかりませんから。調子のいいタイミングでうまく波に乗れるか、それとも最初につまずいて悪循環にはまってしまうのか。短期決戦になればなるほど、難しくなります。

 悩んだ末に、近藤を入れました。とにかく、バットコントロールのよさは球界トップクラス。選球眼がよく、四球を選べる利点も買いました。

 捕手は守備重視で甲斐を選びました。甲斐の肩と日本人投手の速いクイックモーションなら、よほどのことがない限り盗塁はされないでしょう。彼がホームベースを守っているだけで、投手には安心感があります。

 菊池涼は今季打撃面が復調しましたが、やはり求められるのは守備力です。国際試合は投手がよければなかなか点が入らないので、接戦を勝ち上がるには守備面でミスをしないことが条件になります。菊池涼は30歳を超えて全盛期よりも守備範囲が狭まっているとはいえ、今でも十分に高い次元にあります。その超人的な二塁守備は、投手を助けてくれるはずです。

 五輪はメンバーが24人しかいないので、控えに誰を入れるかは難しい選択になります。ユーティリティプレーヤーは絶対に必要になってきますが、じつは「どのポジションも守れるけど、能力は中途半端」という選手は使い勝手がよくないんです。

 周東のように群を抜いて足の速い選手は、確実に1点を奪いたい試合展開で必要になってきます。ただ、スタメンに替えて周東を代走に出し、攻撃終了後に別の選手を守備固めに使うとなると、2選手を使わなければならなくなる。控えの人数が限られるなか、効率よく選手を起用できるか入念にシミュレーションするべきでしょうね。

 コロナ禍が少しでも収束に向かい、東京五輪が無事に開催されたら、侍ジャパンが金メダルを獲得してくれることを祈っています。

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