絶賛売り出し中の若手投手12人を山本昌が徹底分析。新人王、2ケタ勝利も狙える (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro

伊藤大海(日本ハム/1年目・23歳/右投左打/2020年ドラフト1位)
3試合/0勝2敗/防御率2.37

 惚れ惚れするストレートを投げるので、ぜひ多くの野球ファンに見ていただきたい投手です。苫小牧駒澤大時代から見てきましたが、プロに入ってさらにレベルが上がった印象を受けます。腕の振りが鋭く、はまった時のストレートの走りがすばらしい。

 スライダー、カットボール、カーブ、スプリットと、変化量の大きな球種も小さな球種も高い次元で扱える点にも非凡さを感じますし、大学時代に自分をしっかりと高めてきたことがうかがえます。プロの舞台でさらに成長できるはずで、彼も新人王を争う力は十分にあります。今年のパ・リーグの若い投手は粒揃いですね。

本前郁也(ロッテ/2年目・23歳/左投左打/2019年育成ドラフト1位)
2試合/1勝1敗/防御率8.10

 とても面白い左腕です。2019年に育成ドラフト1位で入団し、この春に支配下登録されてプロ初勝利を挙げました。迫力のあるストレートや驚くような変化球があるわけではありませんが、非常にボールにキレがあります。ゆったりとしたフォームには、欠点らしい欠点がありません。

 左腕が左耳の近くを通って出てきて、縦の変化球が曲がりやすい腕の振りができています。総合的にまとまっていますし、これから楽しみな存在です。エリート投手と競い合うような、骨のある投手になってくれるといいですね。

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