2021.04.13

2016年ドラフト「高校BIG4」の今。同期の山本由伸、早川隆久には負けられない

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro

 ドラフト会議では有望選手の一本釣りに定評がある西武から単独1位指名を受けて入団。プロ2年目には5勝、3年目には7勝と順調にステップを踏んだ。

 だが、昨季は3勝4敗、防御率6.13とつまずいた。開幕前の練習試合では常時150キロ台の快速球がうなり、飛躍の年になる予感が漂っていただけに意外な結果だった。腕を振る位置をわずかに下げ、ダルビッシュ有(パドレス)とそっくりの投球フォームが話題になったが、シュート回転した速球が甘いコースに入る悪癖が直らなかった。

 今季は開幕ローテーション入りしてここまで2試合で0勝1敗、防御率2.70とまずまずの内容。とはいえ、3月17日の阪神とのオープン戦では同学年の大物ルーキー・佐藤輝明に特大の6号本塁打を浴びた。昨秋のフェニックス・リーグで自己最速の157キロを計測するなど素材の高さは間違いないだけに、あとは制球力がブレークのカギを握りそうだ。

 寺島成輝は高校2年秋の時点で「来年のドラフト1位候補」と評されたように、早くから世代を牽引してきた。寺島の武器は実戦での強さ。場面に応じてギアを切り替えるかのような、高校生らしからぬ老獪(ろうかい)さは目を引いた。

 ドラフト直前、ヤクルトはメディアに「誰を指名するか決まっていない」と煙幕を張ってまで、寺島の単独1位指名に執念を見せた。BIG4のなかでもっとも計算が立ちやすい投手と見られただけに、投手難に喘ぐヤクルトにとって寺島は救世主のはずだった。

 ところが、プロ入り後に寺島の運命は暗転する。本来の速球のスピード・キレが影を潜め、思うような結果が出ない。2年目の春季キャンプで紅白戦に登板すると、寺島が打ち込まれて一向に攻撃が終わらなかったため、イニング途中で強制終了という屈辱的な一幕もあった。

 それでも、4年目の昨季はストレートがようやく復調。中継ぎとして30試合に登板し、1勝0敗3ホールド、防御率2.48と一軍戦力になった。それでも、今季はオープン戦から不安定な内容で、開幕早々に一軍登録を抹消された。