片岡篤史の左バッター診断。阪神・佐藤は「(松井+柳田)÷2」、日本ハム・清宮は「耐え時」 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • 田中亘●撮影 photo by Tanaka Wataru

吉田 佐藤選手には、具体的にどれくらいの成績を期待しますか?

片岡 打率.270、19本塁打......厳しめかな? 広い甲子園を本拠地にする阪神で、これだけやったら本物でしょう。今年はそこまでいかなかったとしても、3~5年後はタイトル争いに絡んでくる選手になると思うし、日本代表に選ばれるような選手になってほしい。とにかく1年目は、ケガせずにできるだけ試合に出ることやね。ファンの方々も球場で見たいと思うような選手でしょうし。

吉田 期待度が高いですね。今、佐藤選手のグッズは売り切れているらしいですが、私も何とか手に入れたいです(笑)。

 それでは、パ・リーグからも注目の左打者を挙げてください。

片岡 西武ファンである吉田さんも気になってると思うけど、森(友哉)やね。2019年にリーグMVPに輝いて、昨年はスタメン落ちもあるなど不振に苦しんだ。彼は大阪桐蔭で春夏連覇したりバリバリやってきたから、打撃面でのスランプというのは初めてやないかな。それに昨年は、捕手としてひとつ勝つこと、ひとつアウトを取ることの苦しさを十分に学んだと思うし、その経験を今季、その先の野球人生に活かしてほしいね。

吉田 森選手は、なぜスランプに陥ったと思いますか?

片岡 守備が原因でしょうね。正捕手としてチームが勝てないことに大きな責任を感じていただろうし、心技体の「心」が崩れてしまったのかもしれないけど、今季は自分のスイングを取り戻してほしい。

 森のスイングは独特で、少し下から思い切り振り上げるタイプ。僕が今まで、プロ野球で見てきたティーバッティングの中で、「これはマネできない」と思った数少ない選手のひとりです。アマチュア選手の誰もが目にするべきバッティングを取り戻してほしいね。

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