2021.03.24

松井秀喜も高卒2年目にブレイクした。オリックスの和製大砲への期待

  • 石田雄太●文 text by Ishida Yuta
  • photo by Koike Yoshihiro

「2月に打っていたのは真っすぐ系のボールばっかりで、とにかく速い球を思いっ切り弾き返していけたんですけど、オープン戦に入ってからは変化球が多くなってきて、苦戦している感じです。変化球のことを意識しすぎると真っすぐも強く弾き返せなくなるというか、どんどん深みにはまって、悪いほうへいってしまう。それは自分でもわかっているので、何とか試合のなかで経験して、修正していけたらと思っています」

 プロ1年目の昨年、紅林はウエスタン・リーグの試合に出続けた。高卒ルーキーながら開幕から"1番、ショート"でスタメン出場を果たし、以降、すべての試合に名を連ねたのだ。試合に出ている分、打席数が多くなることもあってヒットの数を順調に伸ばし、いったんはファームでの最多安打のタイトルが視野に入ってきた。しかし、最終的にはカープの2人、小園海斗と林晃汰の後塵を拝する。紅林は言った。

「2軍とはいえ、試合に出続けたんですからタイトルは獲りたかった。最多安打を目指したんですけど最後に届かなくて、それは悔しかったですね。高校野球と違って、毎日、試合があって、毎日、結果を残さないといけない。一日にヒット1本、と思ってやってきましたけど、それがすごく難しいことで、あのアウトがヒットになっていたら、と悔いが残る打席がいっぱいありました」

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 それでも昨年のシーズン終盤には1軍へ昇格、11月3日のイーグルス戦に紅林は"8番、ショート"として初出場を果たす。

 そしてプロ初打席で則本昂大のストレートをセンター前へ打ち返し、プロ初ヒットを記録した。その翌日には涌井秀章からレフト前へタイムリーを放ってプロ初打点を記録するなど、紅林は1軍で5試合に出場して4本のヒットを放ち、充実のプロ1年目を締めくくった。

「去年1年間、プロの世界でプレーしてみて一番に感じた課題というのは、自分のスイングがまったくできなかったこと、それと長打が打てなかったことでした。ファームでずっと試合に出してもらったんですけど、毎日の試合のなかで、捉えたはずの打球がフェンスの手前で失速したり、ホームランだと思った打球がフェン直(フェンス直撃)止まりだったり......『えっ、これが行かないのか』という打球がけっこうあったんです。疲れもあったし、もちろんパワーが足りてないこともあったと思いますけど、とにかくそれが悔しくて、どうやったらもっと打球を遠くへ飛ばせるのかと、そればっかり考えていました。