ロッテ佐々木朗希が1軍で投げられる条件。井口資仁監督が明かす優勝への手応え

  • 永田遼太郎●文 text by Ryotaro Nagata
  • photo by Sankei Visual

── 次に若手についてですが、安田尚憲選手がキャンプ、オープン戦と苦しんでいるように見受けられます。

「今はいろんなことを試しながらやっている段階です。結果にはつながっていないですが、バッティングの形としては非常にいいものを見せてくれています。そのあたりが試合につながっていなかったり、対相手投手という部分でタイミングの取り方で迷っている部分があったりしますが、根本的な打撃の部分に関しては悪くないと見ています」

── 安田選手の打撃フォームがコロコロ変わっている点を懐疑的に見る意見もあります。

「(選手たちは)毎年、キャリアハイを目指していく中でフォームを変えるというのは多々あることなんですけど、安田に関してはシーズン中もコロコロ変わるので、色々試したいタイプなのかなと思います。それが良いのか、悪いのかはわかりませんが、動画などを見ながら『この人はこうだから少しやってみよう』と、探求心のある選手であることは間違いない。せっかく本人がキャンプからやってきたことなので、それをシーズンで活かしてもらいたいと思っています」

── そんな安田選手に課している具体的な数字はありますか?

「ずばり、『3割20本』ですね。まだ遠い数字であることも事実ですが(笑)、少しでも近づいてくれればと」

── 一方、安田選手より1学年下の山口航輝選手や藤原恭大選手が、昨年まで主にファームで経験を積んでいた選手とは思えないほど堂々と戦っている印象をうけます。

「山口に関しては、今、外野の競争が激しいので、昨秋からファーストにもトライさせています。彼の持ち味は、とにかく思い切りのよさ。ウチにいないタイプのバッターだと感じています。相手から見ても、あれだけフルスイングしてくる選手は脅威に感じるでしょうし。『安田と4番はどっちかな?』と考えながら、競わせている段階です。現時点では山口の方がしっかり自分のスイングができていますね。それだけ山口の成長は著しい。

 一方、藤原は今、安田と同様にタイミングの取り方を試行錯誤している段階かなと。彼は2月の練習試合から1ヵ月間、ずっと試合に出っぱなしだったので、開幕までに疲労をとりながらいい調整をしてもらって、開幕戦に合わせてほしいと思っています」

── 今年から今岡真訪さんを二軍監督から一軍ヘッドコーチに配置転換しました。先に挙げた3人の若手(安田、山口、藤原)を入団から見てきた今岡さんが、一軍でも継続して指導する効果を期待しての転換ですか?

「若い選手のことをよく分かっているというのもありますし、改めてこれまでの経験や、打撃の部分を教えてもらえたらと思っています。(今岡ヘッドは現役時代)間合いの取り方がすごく上手な選手だったので、若い選手たちは、そういうところをどんどん吸収してほしいなと」

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