ホールド王・清水昇はヤクルト最強の質問魔。山田哲人に「僕の投球は?」と聞いた (3ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

「チームには実績のある方が多くいるので、気になることがあれば聞かないともったいないですよね。僕としては、話を聞かないで終わるんだったら、話を聞いて、最善を尽くして打たれるほうが悔いは残らないと思うんです」

 そして「今年は山田哲人さんにも『(僕のピッチングは)どうですか?』と聞きました」と教えてくれた。

「山田さんは、四球を出そうがヒットを打たれようが、投球間隔の短いほうが攻撃に入った時にリズムをつくりやすいと。そこで、この前の練習試合はポンポンと投げたのですが、結果的に投げ急いだ形になってしまった。"テンポよく"と"投げ急ぎ"は紙一重なので、打たれないテンポのよさを求めていきたいです」

 今シーズン、個人的に目指すものは何かと聞くと、「この前、石川さんと小川(泰弘)さんから『おまえには伸びしろがたくさんあるよな』と言われました」と笑い、こう続けた。

「自分には削れる部分がたくさんありますからね。防御率(昨年は3.54)もそうですし、去年は打たれてはいけないホームランもたくさんあって、もったいない失点がありました。そういう意味で、まだ課題がたくさんあるのがうれしいですね。まだまだうまくなれるということですから。去年とは違う自分を出したいですし、そのためになお進化していければ」

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 当然、清水には2年連続のホールド王とプロ初勝利の期待がかかる。

「セットアッパーの役割を考えた時に、無敗で終われたらそれが最高の結果だと思います。ただ、僕自身は去年もそうでしたけど、負けることや打たれることで成長できる部分があるという思いもあって、そこはあまり意識せずに......。

 初勝利に関しては、周りからよく言われます。『0勝のまま実績を重ねるのも面白いんじゃないか』って(笑)。でも自分としては、通算0勝はやはり気になります。今年はもっと投げて、勝ちがついてくれれば......。それよりも、セットアッパーはやっとの思いでつかんだポジションなので、1年しか結果が出なかったと言われないようにしたいです」

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