球団事務所には「呼ばれないでくれ!」。由規が明かす昨季終盤の揺れる思い (2ページ目)

  • 白鳥純一●取材・文 text by Shiratori Junichi
  • photo by Sankei Visual

2016年に1786日ぶりの勝利を挙げ、インタビューに応える由規2016年に1786日ぶりの勝利を挙げ、インタビューに応える由規――由規投手は、2010年に12勝を挙げ、当時日本人最速の161kmも記録。しかし2012年以降は右肩痛などにより、4年ほど戦列を離れることになりました。この時期を、どのような思いで過ごしていましたか?

「まさか、復帰までそんなに時間がかかるとは思いませんでした。しばらくは何をやってもうまくいかないもどかしさがあったんですが、2013年の右肩の手術で『光が見えたような感覚』があって。そこからも長かったですけど、待ってくれたヤクルトにすごく感謝しています」

――2016年7月に復帰を果たし、7月24日中日戦では1786日ぶりに勝利も挙げました。

「もし、この時に勝てていなかったら、野球は諦めていたと思います。苦しみをはるかに超える嬉しさを体感できたからこそ、『体が元気なうちは続けたい』という結論に至り、今シーズンも埼玉武蔵で野球ができる。その環境をもらえたことに感謝し、チームのために頑張りたいです」

――復帰後、2016年は2勝、2017年は3勝。2018年限りで東京ヤクルトとの契約が満了となります。

「2018年はキャンプから調子がよく、久々に開幕からローテーションに入って投げられた。大事な試合を任されることもあり、久々に『試合で投げている』感じがあったんですが......7月に再び右肩痛を発症。『またか』と、気持ちが折れかけたことも正直ありましたね」

――2018年オフはトライアウトを受けず、同年11月に楽天と育成契約を結びましたが、その経緯を教えていただけますか?

「この時期は、ケガの影響で自分からアクションを起こせず、つらかったです。自分で結果を出して何とかすることができない不安が大きかった。病院や整骨院に通ったりしながら、『1日も無駄にできない』という思いで過ごしていました」

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