甲子園のベンチ入り人数増はなぜ実現
できない?指導者は「18→20」熱望

  • 谷上史朗●文 text by Tanigami Shiro
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 今回のセンバツに出場する別の監督に聞くと、ベンチ入り選手に対しては、現地からの移動費(往復)と宿泊費の一部が主催者から支給されるという。

「数年前に出場した時は、宿泊については確かひとり4000円くらいの補助が出ていたはずです。ただ、チームが泊まっていたホテルは毎年県ごとに決まっていて、食事つきで1泊1万円以上。だから、その時点で部費や寄付でまかなってきました」

 さらに、こう続ける。

「そもそも、その時もメンバー以外に何人かはチームに帯同して、同じ宿舎で生活していました。試合時のボールボーイや、期間中に練習を手伝う人が必要だからです。これについては、ほかのチームもその費用はもちろんチーム持ちなので、(主催者が)18人分しか出せないというのなら、2人分はチームで出していいのでベンチ入りを20人にしてほしい。ほとんどの指導者がそう思っているはずです」

 現場から多くの要望がある限り、簡単にスルーできる問題ではないと思うし、主催者側に明確な理由があるのならしっかり伝えるべきだろう。

 これまで延長戦についても18回が15回までとなり、さらにはタイブレークや球数制限の導入。選手の健康面に配慮しながら、時代に沿ってルールが変更されてきた。それだけにベンチ入り問題についても、主催者の勇気ある決断に期待したい。

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