「令和のON」を探せ。プロ野球の
未来を担う魅惑のスラッガーコンビは?

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Sankei Visual

阪神の未来のスラッガー候補、井上広大(写真左)と佐藤輝明阪神の未来のスラッガー候補、井上広大(写真左)と佐藤輝明 阪神の佐藤輝明(21歳)、井上広大(19歳)は待望の地元出身のスター候補である。

 佐藤は昨年のドラフト会議で4球団の重複1位指名を受け、抽選の末に阪神が交渉権を獲得した左のスラッガー。バットで天を突くような日本人離れした猛スイングで、春先の実戦から結果を残している。

 対応力に課題は残すものの、他者からの評価に無頓着な鋼のメンタルは最大の武器と言っていいだろう。たとえ今後、プロの壁にぶつかったとしても、地に足をつけて一歩一歩、前進していける選手だ。

 甲子園球場の近所で生まれ育ち、小学6年時には12球団ジュニアトーナメントの阪神ジュニアに選出された(ただし、故障で出番はランナーコーチのみ)。そんなバックグラウンドも、ドラマ性をかき立てる。

 井上は2018年夏の甲子園決勝で星稜・奥川恭伸(現ヤクルト)から3ラン本塁打を放つなど、大会3本塁打で優勝に貢献した甲子園の星。同年のドラフト2位指名を受け、阪神に入団した右の大型打者である。

 昨季はファームで9本塁打を放ち、シーズン終盤には一軍も6試合経験。英才教育を施されていたが、今春キャンプの練習中に左膝打撲の故障を負ってしまった。早期復帰できることを祈りたい。

 チーム事情から今季ブレイクしてもらわないと困るのは、日本ハムの清宮幸太郎(21歳)、野村佑希(20歳)の左右の両大砲である。

 2017年ドラフトで高校生史上最多タイとなる7球団の重複1位指名を受けて入団した清宮は、入団以来3年連続で7本塁打に終わっている。年齢を考えれば十分な経過にも思えるが、同期入団のヤクルト・村上がリーグを代表するスラッガーになった現在、清宮への風当たりは厳しい。

 清宮に高い期待を寄せ、起用する栗山英樹監督に対する批判の声も大きくなってきた。それでも、練習でのスイングを見れば、打球の伸びは若手の間で図抜けている。早く実戦できっかけをつかみたいところだ。

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