ラミレスは断言「セ・リーグにDH制は必要ない」。ならば格差をどう埋める? (2ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

 現役時代のラミレス氏が「アイーン」や「ゲッツ!」など、人気芸人のギャグを多用していたのは有名だ。彼にとって、こうしたパフォーマンスはファンとの交流を図るためだけではなく、自身の気分転換にもなっていたという。ラミレス氏は続ける。

「ふたつ目の質問については、セ・リーグとパ・リーグの監督を比較した場合、その複雑さは大きく異なります。セ・リーグの監督を務めたあとにパ・リーグの監督をやるのは比較的簡単だと思いますが、その逆はある程度の経験がないと難しいんじゃないかと思います。それは、DH制の問題があるからです」

 ここで、ラミレス氏の口から「DH制」という言葉が飛び出した。「セ・パ間格差」について、その理由として最初に挙げられるのが「DH制の有無」だ。この問題に関して、ラミレス氏はどのように考えているのだろうか?

【セ・リーグまでDH制を導入する必要はない】

「現在、話題になっている『セ・パ間格差』について、DH制との因果関係は当然あると思いますね。パ・リーグの場合は投手が打席に立つ必要がない。じゃあ、その代わりに誰が打席に立つのかといえば、強打の外国人選手が入ることが多い。セ・リーグは打撃が劣る投手がバッターボックスに立ち、一方のパ・リーグは打撃に勝る強打者がひとり増える。それは攻撃力の大幅アップにつながりますよね」

 さらに、ラミレス氏は監督経験者ならではの指摘をする。

「セ・リーグの場合は、選手の起用人数が多くなりがちなんです。たとえば、試合中盤になって、チャンスの場面で先発投手に打席が回ります。ここで代打を起用し、そのあとに守備位置を変更しようとしたら、代打を使うだけでなく、別の選手を守備に起用するダブルスイッチが必要になって、一気に多くの選手を使うことになります」

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