田中将大はどうなる? メジャーから日本球界に復帰した男たちの明暗 (4ページ目)

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  • photo by Sankei Visual

 西岡同様にNPB復帰2年目から苦しんだのが、「打てる捕手」の代名詞だった城島健司だ。2005年にFA権を行使してマリナーズに移籍し、メジャーで試合に出場した史上初の日本人捕手になった。移籍1年目の開幕戦で、メジャー初安打を本塁打で記録して鮮烈なデビューを果たした。

 投手との密なコミュケーションが必要な捕手のメジャー挑戦は厳しいと言われていたが、3シーズンを正捕手格として戦った。その後、チーム事情もあり、2年の契約を残しながら2009年オフにマリナーズを退団。当時、確固たる正捕手、右の強打者の不在に苦心していた阪神が真っ先に手を挙げ、獲得に至った。

 日本復帰1年目は144試合に出場し、ヤクルトの古田敦也が1997年に樹立した捕手のセ・リーグ最多安打記録の164安打を更新する、168安打をマーク。しかしシーズン終盤に左膝半月板の損傷が発覚し、オフに手術を受けた。2011年も開幕戦出場を果たしたが、故障の影響から万全のパフォーマンスには戻らなかった。

 2012年には左膝以外の故障にも苛まれ、捕手復帰が絶望に。二軍戦で起用されていた一塁手として現役を続ける道もあったが、捕手へのこだわりから同年限りでの現役引退を決意した。2020年からは古巣であるソフトバンクの会長付特別アドバイザーとして活動している。

 2013年から3年間、メジャーに挑戦した藤川球児も、日本復帰先には古巣の阪神を選んだ。2016年から昨年までの5年間、全盛期に引けを取らない球威で中継ぎと抑えを務め、余力を感じさせる状態で現役に幕を下ろした。藤川はメジャーで自由契約になったあとに、独立リーグ(四国アイランドリーグ)を経て再びNPBで活躍した特異な例だ。

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