中日優勝のキーマンは柳裕也か。必殺カーブに打者が翻弄される理由 (3ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Koike Yoshihiro

 その一方で、カーブのようにスピードがなく、大きく変化するボールは捨てられやすい傾向にある。ピッチャーにしてみれば、遅いボールを投げるのは勇気がいるのだろう。しかし柳のカーブは球速こそ出ないが、落下速度が強烈で、打者にとっては間違いなく"厄介なボール"である。

 今年、柳が2ケタ勝利を挙げれば、そのあともコンスタントに勝ち続けるような気がしている。そのためにも、ポイントになるのがカーブの使い方だ。あのボールを1球入れるだけで打者は戸惑い、自分のスイングができなくなる。カーブを使った配球のバリエーションを増やすことが、2ケタへの最短ルートになるはずだ。

 大野とともに「左右のエース」が確立されれば、2年連続Aクラスはおろか、10年ぶりの優勝も現実味を帯びてくる。

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