2021.02.02

江本孟紀がセの弱体化に物申す。「ソフトバンクのコーチ人事を学べ」

  • 中島大輔●取材・文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Jiji Photo

 対して、ソフトバンクは"成果主義"だ。江本氏が続ける。

「三軍制で、選手だけでなく監督、コーチも競い合っている。成果を残せなかったらクビになったり、配置転換されたりする。監督、コーチも成果を厳しく求められ、その姿を選手たちも見て『俺たちもうかうかしてられんぞ』となる。

 二・三軍でチャンスを与えられ、結果を残せば上に行ける一方、そのためにはとなりにいるヤツに勝たないといけない。そこで競争心と闘争心が生まれる。それが根底にあり、三軍制というシステムが機能している。ここがヨソと違うところです」

 ソフトバンクの監督・コーチ陣を見ると、平石洋介、立花義家の両打撃コーチや、森山良二、高村祐の両投手コーチなど、現役時代を他球団で過ごした"外様"の抜擢が特徴的だ。三軍で打撃兼外野守備走塁を担当する関川浩一、内野守備走塁の松山秀明も球団OBではない。また昨季一軍ヘッドコーチを務め、今季三軍監督に異動した森浩之のように、現役時代の名声はなくても指導者として腕を買われた"元選手"が多く指導にあたっている。

 同じく三軍制を敷く巨人とソフトバンクの違いは、こうした「人事」にあると江本氏は指摘する。

「巨人は現役時代に貢献したとか、"ご褒美"の人事ばかり。どこに視点を置いているのか。桑田真澄が投手チーフコーチ補佐に就任したことにも、そういう傾向を感じる。桑田は理論派と言われるし、将来的に監督を目指させるなら、三軍の監督くらいからやらせてもいい。でも、そういう順序で巨人はやらない。人気とかスターとか、別の角度で見ている。人事に対して、競争の原理が働いていない」

 原辰徳監督が率いる巨人のコーチ陣には、ヘッドコーチの元木大介、作戦コーチの吉村禎章など、現役時代にジャイアンツ一筋だった"生え抜き"が多い(※全コーチに占める"生え抜き"の割合は41.7%で、12球団別では広島の63.2%、ヤクルトの60%、ロッテの45%に次いで4番目)。