板野友美と入籍のヤクルト高橋奎二、成長の軌跡。父が語る結婚の影響 (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

 そんな高橋のピッチングを一番熱心に観戦しているのは父の幸治さんである。

「毎回ドキドキして、見るのが怖いというか......ほかの選手の親御さんはどんな気持ちで試合を見ているんでしょうね。投げる日はすべて録画して、8回無失点の試合は何回も見ましたけど、ほかはまったく見ません(笑)。去年は本当にもどかしかったです。いっそ野球を辞めてくれたら、どれだけ気が楽になるのかと思ったこともあります」

 親だからこその複雑な胸中を吐露してくれた。そしてこうも続ける。

「とはいえ、奎二には1年でも長くやってほしいですし、今シーズンは7回まではしっかり投げてほしい。そのためには100球を意識するピッチングはしてほしくない。そうなってしまうと5回くらいで終わってしまう。アイツはひとりの打者に大体7球かかってしまうので......。1試合120球は投げてほしいので、『奎二ならもう1イニング投げさせても大丈夫だ』と、チームから信頼されるピッチャーになってほしいと思っています」

 幸治さんに愛息の結婚について聞くと、こんなことを教えてくれた。

「ふたりがお付き合いしていることは知っていましたけど、結婚は急なことでしたからね。本人同士が決めたことなので祝福していますし、家族を背負ったことに自覚を持って、後悔のない人生にしてほしい。奎二は不思議な子でして、今まで何かにつけて運がある。だけどもこれから先、成功するかどうかはアイツ次第だと思っています。

 でも、今回の結婚で僕も大変なんです。亀岡市は10万人くらいいて、結婚が発表されてからは野球に携わる人たちだけでなく、面識のない方も『おめでとう』『よかったね』と声をかけてくださります。ある意味、僕も襟を正さないと(笑)」

 6年目となる今シーズン。飛躍の準備はできている。

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