板野友美と入籍のヤクルト高橋奎二、
成長の軌跡。父が語る結婚の影響

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

 ヤクルト・高橋奎二と元AKBで歌手の板野友美さんの結婚報告には驚かされた。一夜にしてチーム期待の若手左腕の知名度が一躍広がったことに「人生とは不思議なものだ」とあらためて思い知らされた。

 高橋は2015年のドラフトでヤクルトから3位指名を受けて入団。チームの先輩である小川泰弘のように、足を胸元まで上げる投球フォームから"左のライアン"と呼ばれた。

結婚を機に心機一転を誓うヤクルト高橋奎二結婚を機に心機一転を誓うヤクルト高橋奎二 プロ1年目の夏、二軍で過ごしていた高橋が一軍の練習と試合を見学する機会があったのだが、後日、戸田球場でその日の感想を聞いたのが初めての取材となった。写真撮影では、チームメイトから「イケメン」と冷やかされていた。

「一軍の練習は二軍と雰囲気が違いました。高校時代に甲子園を経験しているんですけど、プロの試合はヤジが飛んだり、乱闘もあったりで、また違う雰囲気でした(笑)。早く神宮で投げたいなと思いました」

 2年目の8月には、二軍戦だったが先発投手として神宮球場のマウンドに立った。

「神宮球場で投げるのがそんなにうれしいのか」

 高津臣吾二軍監督(当時)がそう声をかけると、高橋は照れくさそうな表情を見せた。

 ただ1年目は肩を、2年目は腰を痛めたことで満足に投げることができなかった。そして3年目を迎えるにあたり、高橋はこのように語っていた。

「まずは1年間、大きなケガをせずに投げ切ること。そのなかで一軍に上がれたらいいですね。常時140キロ台前半の真っすぐを投げ、勝負どころでは球速を上げてコントロールで勝負です。今はそういうピッチャーを目指しています」

 その年の5月12日のDeNA戦(二軍)は言葉どおりの投球となった。140キロ前半の真っすぐを中心に、新しく覚えたカットボールとチェンジアップが効果を発揮。要所でのストレートは147キロをマークした。7回を投げて3安打1失点と申し分ないピッチングを見せた。

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