トライアウト失敗も現役続行。独立リーグで奮闘する元NPBの男たち (3ページ目)

  • Text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

 2020年はメキシカンリーグに挑戦する予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大で帰国を余儀なくされ、神奈川への入団が決定。メキシコで思うような練習ができていなかったこともあって、成績は7試合に先発して2勝1敗、防御率5.11ながら、巨人時代のチームメイトである乾の支えを受けながら状態を上げていった。そんな後押しを受け、今年の1月には再びメキシカンリーグのチームに入団したことを発表。高木の挑戦は続く。

 独立リーグで現役を続ける元NPB選手の中には、NPB復帰の可能性が乏しくなってもリーグの"レジェンド"としてプレーを続ける選手もいる。2014年から四国アイランドリーグplusの愛媛マンダリンパイレーツに所属している正田樹だ。

 桐生第一高(群馬)時代は、3年夏の甲子園で優勝。1999年のドラフト1位で日本ハムに入団し、その後は阪神、台湾球界を渡り歩いて2011年にBCリーグの新潟アルビレックスに加入。チームの地区優勝に貢献した働きぶりが認められ、ヤクルトからオファーが届き、2012年にNPBに復帰した。

 しかし2013年に再び戦力外通告を受け、2014年に再び台湾プロ野球へ。それでも開幕から不調が続いて5月にチームを退団すると、愛媛に活動の場を移した。愛媛入団後は、新たにフォークを習得するなど投球の幅を広げ、2015年にリーグ年間MVPを受賞している。

 同年オフに3度目となるトライアウトを受け(1回目は2007年、2回目は2010年)、NPB復帰はならなかったものの、翌シーズン以降も愛媛で活躍。これまでリーグの最優秀防御率を通算3度受賞するなど、チームの戦力であり続けている。

 2020年のトライアウト参加者で、今シーズンを独立リーグでプレーすることになった選手としては、元ヤクルトの近藤一樹が香川オリーブガイナーズの選手兼投手コーチに就任。さらに、トライアウトの1番手として登板し、パーフェクトな投球を見せた元広島の藤井皓哉が、同じ四国の高知ファイティングドッグスでプレーすることが発表されている。

 日本球界の最高峰に身を置いた選手たちが、独立リーグでどんなプレーを見せ、周囲の選手たちにどういった影響を与えるのか。各地で野球を続ける男たちに、今年も要注目だ。

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