中日ドラ3はただのビッグマウスじゃない。超絶守備で京田、根尾に宣戦布告 (2ページ目)

  • 沢井史●文 text by Sawai Fumi
  • photo by Kyodo News

 中学で硬式野球チーム・湖北ボーイズに入団し、ここで初めて憧れてきたショートのポジションを守ることになる。

「ショートは肩の強さ、守備範囲の広さが問われます。実際、難しさはありましたが、やりがいのあるポジションだと思いました。遊撃手としてもっとうまくなりたいと思いましたし、高校でもこのポジションで勝負していこうと誓いました」

 近江では入学してすぐの春季大会からベンチ入りするなど、早くも頭角を現した。その後も順調に成長し、ドラフト候補となったわけだが、土田にとってプロの世界はそう遠い世界だとは感じていなかった。

「『プロになりたい』というより、『絶対になるんだ』と自分に言い聞かせながらやってきました。一流選手の映像をずっと見てきて、『自分もああなるんだ。ならなあかん』と。ドラフトで指名されて、夢が実現したうれしさはありますが、プロの選手になれたと喜んでいるだけではダメだと思っています」

 土田のコメントは一見 "ビッグマウス"にも映るが、あえてそう発言することで、現状に満足せず、常に上を見続けてきた彼なりのポリシーなのである。

 中日のショートは2017年のセ・リーグ新人王の京田陽太、そして2018年のドラフトで1位指名された根尾昂がいる。じつは根尾とは、2018年秋に出場した福井国体の時に会話を交わしたことがあるという。

「宿舎で一緒になって、守備についていろいろ質問させていただいたんです。根尾さんは捕球が独特なので、(グラブの)ポケットの位置をどうしているのかを聞いたんですけど、すごく難しい答えが返ってきて......正直、あまり覚えていないんです(笑)。でも、それくらい深く考えておられる方なんやと思いました」

 これからはそんな先輩と同じ土俵で戦うことになる。厳しい世界に身を置くことは覚悟しているつもりだが、これまでのように強気を貫き、勝負に挑むつもりだ。

「ゴールデングラブ賞を獲って、守備でお客さんを呼べる選手になりたいです。打つことも大事ですが、守備で魅せられるショートを目指します」

 その言葉に迷いはない。

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