ラミレスが語るDeNAの昨シーズン「交流戦があればAクラスに入れていたかも」 (2ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

──投手陣についても、エースの今永昇太投手が左肩痛で離脱し、先発陣で2桁勝利を挙げたのが大貫晋一投手のみ(10勝6敗)と苦しんだ印象があります。

「先発陣もですが、何よりクローザーの山崎(康晃)の不調が大きかったと思います。私は昨シーズンから、『リードしている試合を、どう勝ち切るか』を重視してきました。終盤での逆転負けを喫すると、勢いを取り戻すまでに2、3試合くらいかかるからです。そういった点で、昨シーズンの後半は新守護神の三嶋(一輝)やリリーフ陣も安定したものの、修正に時間がかかってしまった感は否めません」

──開幕が遅れたことや、日程がタイトになったことなども影響がありましたか?

「確かに、13連戦のあとに1日休んで6連戦など、日程は厳しかったですね。ただ、条件はどのチームも一緒ですから、プロとしてそこを言い訳にしてはいけないと思います」

──交流戦がなかったことについてはいかがですか?

「もちろん状況的に難しかったことはわかっています。 それでも"フィフティ・フィフティ"でやりたい気持ちはありましたね。監督就任後、交流戦では常に『勝率5割』を目標にしてきました。毎年のようにセ・リーグの上位チームが交流戦で苦戦し、順位を落とす傾向が強かったので、後半戦に向けてジャンプアップできる好機と想定していたんです。

 昨年は巨人の菅野智之投手が13勝1敗とすばらしい成績を残しましたが、例年の交流戦での成績は5割くらい。そこで菅野投手の勢いが削がれ、負けた試合からセ・リーグの各球団が分析することもできたでしょうから、もっと対抗できたかもしれませんね」

──DeNAは2019年の交流戦で4位(10勝7敗1分)でしたが、得意意識があったんですか?

「ある程度自信はありました。これまでの戦いから、パ・リーグの打者は左投手に弱いという印象があります。DeNAには力がある左投手が多いですから、5人くらい左の先発投手をつぎ込むという戦いも有効だったかもしれません。交流戦が行なわれていたらAクラスに入れていたかも......とも思いますが、それは"たられば"の話で、先ほど話した言い訳になってしまいますからこれくらいにしておきましょう」

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