山本昌が認定する現代の魔球6選「変化球がエグい!」投手は? (3ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro,Kyodo News

昨シーズン10勝を挙げ、セ・リーグ新人王に輝いた広島・森下暢仁昨シーズン10勝を挙げ、セ・リーグ新人王に輝いた広島・森下暢仁■森下暢仁(広島)のカーブ

 今季セ・リーグ新人王に輝いた森下投手のカーブも魔球に近いボールです。防御率も1.91とすばらしく、あらためて2019年のドラフト会議で、カープが一本釣りできたことが信じられません。

 森下投手のカーブは強烈な縦回転がかかっています。ほぼ垂直に近い回転で、回転速度もあるため落差の大きな変化になります。バッターにとってはこれだけ大きく曲がる上に加速してくる体感ですから、勝負する上で邪魔な変化球でしょうね。

 彼のカーブを可能にしているのは、その独特なフォームにあります。腕を振る際に上体をやや外側(一塁側)に倒して、右腕を真上から出すような投げ方。「左肩の開きが早い」と見られがちですが、実際にはそんなことはなく、腕を真上から出すための通り道がつくれる投げ方です。

 これだけ真上からボールに縦の回転をかければ、落ちないはずがありません。

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