菅野智之の巨人残留はプラスになるか。MLBの代理人が挙げた3つのポイント

  • 杉浦大介●文 text by Sugiura Daisuke
  • photo by Kyodo News

 菅野智之の渡米は先送り――。アメリカ東部時間1月7日、ポスティングシステムでメジャーリーグ移籍を目指した菅野の、メジャー球団との交渉期間が終了。巨人への残留が正式に発表された。

巨人への残留が決まった菅野巨人への残留が決まった菅野 メッツ、ブルージェイズ、ジャイアンツ、レンジャーズ、パドレスなど多くのチームが獲得に興味を持ったと報道され、菅野も元日に渡米した。その時点では今オフ中のメジャー入りが有力視されたものの、結局は交渉打ち切り。メジャー球団からオファーされた条件は、菅野の希望に届いていなかったという。

 今季に日本のエースの勇姿がアメリカで見られなくなったことは、MLBファンとしては残念だろう。しかし、アメリカとメジャーリーグの現状を考えれば、「適切な判断」という冷静な意見も少なくない。筆者が話を聞いたあるメジャーリーグの代理人も、菅野の決断を支持していた。

「今年じゃなくてはいけない理由がないならば、渡米を見送ったのは理解できる。現在の先発投手マーケットの動きが乏しいこと、アメリカでも依然として新型コロナウイルスが猛威を振るっていること、今季のメジャーリーグの日程が不確かなことを考えれば、巨人からの魅力的なオファーを取ったのは当然と言える」

 昨季は多くの試合が無観客で行なわれたため、メジャー各球団の財政は大打撃を受けた。さらに、来季がスケジュールどおりに行なわれるか不透明という事情もあって、今オフのマーケットの動きは鈍いままだ。話を聞いた代理人によると、そんなオフを避け、渡米を延期したことによる菅野のメリットは3つあるという。

【代理人が挙げたメリット①】
「来年のオフには多くの好投手がマーケットに出る。複数の"金満チーム"が先発投手の補強を考えてオフ戦線に臨むため、今季と比べると、優れたピッチャーの値段は全体的に上がるはずだ」

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る