12球団の「もったいない選手」たち。 能力は超一流も定位置奪取できない【2020人気記事】 (4ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro

 セ・リーグでは、DeNAの外野層の厚さが目を引く。佐野恵太、梶谷隆幸、タイラー・オースティンとレギュラー陣が好調で、桑原将志、神里和毅と若く、レギュラー経験のある好選手も控える。ほかにも乙坂智、楠本泰史と打撃力のある左打ち外野手がひしめいている。

 そんななか、宝の持ち腐れに感じてしまうのが関根である。シュアな打撃とアグレッシブなプレーが武器で、走守のレベルも悪くない。現在は故障離脱中ながら、復帰後も一軍に故障者が続出しない限りは出番が限られそうだ。

 なお、関根が2013年ドラフト会議でDeNAに5位指名された際、もっとも熱心に追いかけていたのが当時、オリックスのスカウトを務めていた由田慎太郎さんだった。由田さんは現在、オリックスの二軍コーチ(2021年から育成コーチ)を務めている。無責任な第三者としては、関根について「プロでセンターのレギュラーを獲れる」とまで語った由田コーチの元で再出発する姿を見たくなってしまう。

 ここまで外野手ばかりを紹介してきたが、数少ないながら内野手にももったいない選手はいる。筆頭格は永江恭平(西武・27歳)だろう。入団当初から高い守備力を評価されてきたショートである。投手経験者らしく、この小さな体でどうしてそんなに強いボールが投げられるのかと思うほど送球が強い。

 源田壮亮が入団後はポジション争いに敗れ、出場機会は減っている。だが、源田が故障した昨季はショートとして6試合に先発出場し、守備面の穴を感じさせない動きを見せた。課題は通算打率.153の打撃だが、ファームの試合ではそれなりに強いスイングができており、その点を含めてもったいない。

 捕手では磯村嘉孝(広島・27歳)も居場所をつくってやりたい好選手だ。打席でのムード満点の強打に加えて、守備力も年々レベルアップしている。着実に出場機会を増やしているものの、新体制になった今季は春先に故障で出遅れた影響もあり二軍に甘んじている。

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