赤星憲広が日本シリーズの巨人惨敗を分析「打線がぐちゃぐちゃにされた」

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

 2020年のセ・リーグは、巨人が他の5チームに大きく差をつけて2連覇。しかしソフトバンクとの日本シリーズでは、前年に続いて4連敗に終わった。リーグで圧倒的な強さを誇った巨人がなぜ惨敗したのか。赤星憲広氏にその理由を聞いた。

2年連続でソフトバンクに日本一を阻まれた原・巨人2年連続でソフトバンクに日本一を阻まれた原・巨人──今シーズン、巨人がセ・リーグを独走できた理由から聞かせてください。

「まずは、開幕から13連勝した菅野(智之)投手ですね。一週間のうちに1勝、勝てなくても負けはつかないわけですから。同一カード3連戦の頭を取れたら、2戦目以降を担う先発投手のプレッシャーが軽減できますし、チームとしては戦略を立てやすかったでしょうね。

 昨シーズンに15勝を挙げ、チームの勝ち頭だった山口俊投手(現ブルージェイズ)が抜けた穴をどうするか、という課題がありましたが、高卒2年目の戸郷(翔征)投手が9勝を挙げて見事に穴を埋めてみせた。さらに、新外国人の(エンジェル・)サンチェス投手もシーズン前半は少し不安があったものの、後半はストレートを武器に持ち直して8勝を挙げたのも大きかったです」

──中継ぎ投手陣の活躍も目立っていましたね。

「トレードでシーズン途中に楽天から加入した高梨(雄平)投手はいい補強でした。さらに鍵谷(陽平)投手、大江(竜聖)投手、ベテランの大竹(寛)投手なども調子がよく、うまく休ませながら起用することができていたと思います。さらに、他のチームが守護神で苦労していた中で、(ルビー・)デラロサ投手が早めに安定した投球ができるようになったこともアドバンテージになりました」

──高梨投手と同じく、シーズン途中のトレードで楽天から加入したゼウス・ウィーラー選手はいかがでしたか?

「ウィーラー選手の補強は大正解でした。勝負強いバッティングで打線に活気をもたらし、ベンチの雰囲気も変えてくれた。いろんなところに好影響があったと思います」

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