山本昌が早川隆久の活躍に太鼓判
「大野雄大のルーキー時代より数段上」

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Sano Miki

---- プロ入り後について、小宮山悟監督からアドバイスはあったのでしょうか?

早川 メディアとの関係が一番難しいと言っていました。オフの日もついてくるし、休みの日も休めないと......。

山本昌 キャンプ中、オープン戦からたくさんの方が群がってくるからね。仕方ないことなんだけど、その目に惑わされないことですね。休んだって全然問題ないし、とにかく無理しないように。トレーナー、ピッチングコーチに早く相談すれば、守ってくれるから。

---- お二人ともトレーニング面で「走る」ことを重視していますが、早川投手は走ることの重要性についてどのように考えていますか。

早川 小宮山監督に言われたのは、「拇指球を感じながら走ることが大事だし、ピッチングの中でもリズムがとても大事で、走るのもリズムがすごく大切」ということ。たとえば、ポール間走なら同じスピードでどれだけ走れるかを考えています。自分はそういう面でも走ることは大事だと感じています。

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---- 前半は飛ばして後半ゆっくりになるのではなく、1本目から最後まで同じペースで走り切る。

早川 はい。同じペースで同じフォームで、拇指球に上半身をしっかりと乗せることを意識しています。

山本昌 とてもいいと思います。走るということは運動の基本だし、強くしっかりと長く走れるということは体力があるということで体幹も強くなります。僕がいつも思っていたのは、「走れないで投げると、ケガをする」ということ。走ることで肩やヒジが動いてほぐれて、血流がよくなって故障防止につながるとも思うので。「走れなかったら投げるな」と言いたいくらいです。僕はそのように考えてやってきていました。

早川 ランニングを通して肩ヒジを動かすということは、自分のなかですごくしっくりきます。自分も今後ずっと続けていけば、山本さんのように長年できるのかなと。

山本昌 もうひとつアドバイス送るとしたら、自分の体を第三者的な視点で見られるようになること。自分で「ここがおかしいな」とわかるようになれば、早めに対処できます。僕は常に体にアンテナを張っていたので、プロに入ってから30年は皆勤賞でした。風邪を引いてもなんとか手を打って、練習を休んだことはないし、無遅刻無欠勤。30年目にインフルエンザにかかって、強制的に1週間休みを取らざるを得なくなりましたが(笑)。

早川 30年......。すごすぎますね(笑)。

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