山本昌が早川隆久の活躍に太鼓判「大野雄大のルーキー時代より数段上」 (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Sano Miki

山本昌 球種が10種類もあったって、実際に試合で使えるボールは2つか3つなので。真っすぐをベースに、いい変化球をどんなカウントでも投げられるようになってほしいです。そうすれば、おそらく2ケタどころか15勝できると思うので。

---- 早川投手はプロに入るにあたっての不安はありますか?

早川 プロの狭いストライクゾーンに苦しむとよく聞くので、ストライクゾーンで勝負したほうがいいのか、それともストライクゾーンから逃げるボールを使って勝負したほうがいいのか。そのあたりはどうでしょうか?

山本昌 ストライクゾーンはおそらく大学野球と大きくは変わらないと思います。高校からプロに進むと「ゾーンが狭くなった」と感じる選手も多いんだけど、大学野球なら上手な審判の方がやっているし、「ほんの少し狭いかな」と思うくらい。あと、いいピッチャーの条件は「ストライク先行」です。

早川 ストライク先行ですか?

山本昌 初球の被打率は3割くらい。でも、そこでビビッて1ボールにしてしまうと、被打率はもっと上がってしまう。いいピッチャーは甘めでもいいからストライク先行で、厳しい場面ではコースで勝負していくものだから。バッターはチャンスの時ほど早めに振ってくるので、それまではストライク先行で開き直って投げたほうがいいです。

---- 早川投手は、今は体調的に問題ありませんか?

早川 はい。万全なので、大きな不安もなく入れそうなんですけど、年間通して投げるのは相当にきついと聞いているのでそこは不安ですね。

山本昌 練習だけなら、もしかしたら大学のほうがきついと感じるかもしれない。プロはシーズンに入ると毎日が試合だから。プロで何がきついかというと、どんな調子の時でも、マウンドに上がらなきゃいけないということ。調子のいい試合なんて1年で3〜4試合だものね。あとは普通か、ダメな日ばかり。でも、勝ち始めるとどんどん調子が上がっていくので、上がっている時にしっかりと勝てるかどうかですね。

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