なんであんなことを言ったのか。プロ野球の歴史に残る「口撃」の数々 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • phoho by Sankei Visual

 1999年9月10日、甲子園で行なわれた巨人との伝統の一戦後、阪神の新庄剛志が放ったひと言も、その後の展開から多くの野球ファンに語り継がれている。決勝本塁打をはなってヒーローとなり、お立ち台に上がった新庄は「明日も勝つ!」と声高らかに言い放った。

 発言自体は何の問題もないが、翌日から阪神は球団ワーストタイ記録となる12連敗を喫し、最下位に転落した。「明日も勝つ!」と同じような言葉はお立ち台でたびたび聞かれるフレーズだが、以降に連敗が始まると、この新庄のケースが引き合いに出されてたびたび話題になる。

 力強い言葉がプラスに作用するケースもある。1999年4月21日、ロッテ戦で黒木知宏と投げ合い、0-2で惜敗した西武の松坂大輔の発言だ。同試合後に「リベンジします」と宣言した松坂は、次のロッテ戦で再び黒木と対戦し、1-0でプロ入り初の完封勝利をマーク。宣言通りにリベンジを果たした。

 近年は時代の流れからか、火花の散るような舌戦は見られなくなってきた。しかしその分、選手たちは闘志を胸に秘め、プレーでそれを表現している。

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