順風満帆ではない来季のDeNA。三浦大輔監督の斬新なアイデアに期待 (2ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by Sankei Visual

 一軍コーチ1年、二軍監督1年、時期尚早という声も聞こえてきたが、本人は「早いというけど『じゃあ、ちょうどいい時期っていつ?』って思ってしまうんです」と語っていた。

 また今季終盤、ラミレス監督の去就に注目が集まっていた頃に大物監督を招聘するという記事がいくつか出たが、それはあり得ない話だった。

 そもそもDeNAは発足時より、編成はフロントが担当し、監督は与えられた選手で戦うというスタンスだ。近年は球団のデータ分析部が戦略をアドバイスすることもあるが、基本的にフロントは一軍監督の戦い方にはノータッチである。つまり、編成にまで口を出す全権監督タイプはDeNAでは通用しない。その点、三浦監督は球団のシステムや基本方針を熟知しており、齟齬は生まれない。

 ただひとつ興味深いのは、三浦監督が二軍監督時代、フロントやスカウトが集まり、育成をメインにしたミーティングに参加していたことだ。これらはDeNAになってから一軍監督を務めた中畑清氏やラミレス氏にはなかったことであり、どんな効果をもたらすのか注目したい。

 監督という立場は求められなければなれない職務ではあるが、受け身でやるようではチーム内に求心力は生まれない。そこで三浦監督に「以前から監督をやりたい、このチームを率いたいという気持ちはあったのか」と尋ねてみた。すると、目線を逸らすことなく次のような答えが返ってきた。

「監督というのは指導者として魅力がありました。そのためにはいろいろと学ばなければいけないと思っていました。幸い、引退してから球団にはいろいろと学ぶ機会を与えてもらい、今度はそれを監督という立場で発揮できるようにしていきたい」

 また、チームとして優勝を目指すために大事なことは「結束」だと力強く語った。その言葉を聞いて、球団アドバイザー時代に話していたことを思い出した。

「DeNAになってもなかなか勝てず低迷した時代、これじゃダメだ、優勝するためにはチーム全体が強くならないといけない、レベルアップしなくちゃいけないと思い、2014年から兼任コーチをやらせてもらったんです。

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