広島3位・大道温貴は驚異の奪三振率。対戦相手「低めの直球が消える感じ」 (2ページ目)

  • 永田遼太郎●文 text by Nagata Ryotaro
  • photo by Kyodo News

「ストレートはリリースに合わせられているので、(打者には)150キロぐらいに見えているのかなと。今日も力感のないイメージで投げられたので、ああいうピッチングができれば、上(プロ)でもやっていけると思います」

 またひとつ自信を深めた大道だが、プロの世界に向けて戦う準備は着々と進めている。

「今日はカットとかは投げていないんですけど、プロではカットやスプリットがメインになるかもしれないというのはわかっています。もしスライダーが通用しなかった時に使う次のボールも練習しているので、そうなったとしても慌てずにやりたいと思います」

 現在の大道の球種は、ストレートのほかに最も得意としているスライダー、正村公弘監督が絶賛するスプリット、昨年まで決め球に使っていたチェンジアップ、そしてカットボールだ。

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 先の東北福祉大戦で延長10回に楠本からこの日2つめの三振を奪ったのだが、決め球となったのはスプリット。大道は「スプリットの精度には僕自身もビックリしています」と手応えを感じている。

 この試合でも6イニングで10個の三振を奪ってみせた。視察に訪れていた広島の近藤芳久スカウトも期待どおりのピッチングに目を細めた。

「ストレートもカットボールもよかったです。先発でも中継ぎでもどっちもできると思います。フォアボールで大崩れするようなピッチャーではないので」

 大道自身は1年目から先発ローテーションに食い込むつもりでいる。その意気込みが伝わったのか、近藤スカウトは次のように語った。

「闘争心があって、うちにはいないタイプ。そういう部分がプロでは大事です。大学生ですからすぐに上(一軍)でと思っています。もう体もできていますし、素材型とか悠長に構えていたら大卒の選手はすぐに終わってしまいますから」

 現在、広島投手陣は大瀬良大地が右ヒジの手術を受け、野村祐輔も10月に右鎖骨下静脈血栓症除去手術を受けるなど、来季のメドは立っていない。当然、1年目の大道にかかる期待は大きい。

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