コロナ下のプロ野球契約更改を経営学視点で展望。大幅減俸は増える? (4ページ目)

  • 小林 悟●取材・文 text by Kobayashi Satoru
  • photo by Kyodo News

「減額制限を超えた提示をされると、多くの選手は『球団にいらないと言われた』と口にします。すると、球団は冷たいとファンからの批判も浴びるので、それを恐れてベテランに対してバッサリいけなかったのがこれまでの契約更改です。しかし、今年はドライに対応しやすいのではないでしょうか。コロナ禍で世間も納得してくれるだろうという雰囲気があり、特に結果を出せていない高額年俸のベテラン選手には厳しい冬となりそうです。また、高額な年俸に見合った活躍をした選手でも今回は現状から大幅なアップは見込めないと予想しています」

 一方で、活躍した若手選手は十分に評価し、年俸を上げるべき選手には成績に見合った年俸を提示することでファンや未来のプロ野球選手に夢を与える。小林氏はその必要性を強調した。

 各球団は、それぞれコロナ禍の厳しい現実の中でプロ野球という「夢」をどう描くのだろか。注目が集まる。

【profile】 
小林至氏小林至氏小林 至 こばやし・いたる 
スポーツ経営学者。博士(スポーツ科学)。1968年、神奈川県生まれ。東京大学で投手として活躍し、92年に千葉ロッテマリーンズ入団。引退後、コロンビア大学で経営学修士号(MBA)を取得。2005から14年まで福岡ソフトバンクホークス取締役。現在は桜美林大学教授、一般社団法人大学スポ--ツ協会(UNIVAS)理事など幅広く活動をしている。

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