井端弘和が語る名将・星野仙一と落合博満の違い、立浪和義との二遊間

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Sankei Visual

──現役時代、実は苦手だった、あまり対戦したくなかった投手と理由を教えてください。(匿名)

「自分のYouTubeチャンネルなどいろんなところで言っていますが、広島の野村(祐輔)です。消えて見えるようなボールではなかったんですけど、まったく合いませんでした。振っても振っても、バットの先っぽにしか当たらない。打てない投手に対してはいろいろな対策をするんですけど......現役を終えてから、根本的にバッティングを変えないと彼のボールは打てなかっただろうな、という結論に至りました」

──対戦した中で、牽制がうまくて盗塁は厳しいと思った投手はいますか?(匿名)

「牽制なら、阪神の西(勇輝)ですね。むしろ西しかいないかもしれない。ターンの速さが圧巻でした」

──井端さんは入団したての高橋周平選手を可愛がっていて、オフのトレーニングも一緒に行なっていましたが、どんなきっかけがあったのか知りたいです。(「神奈川県民」さん)

「一緒にトレーニングをするようになったのは、周平が入団1年目か2年目のオフでしたかね。まだまだ『これから』という選手でした。でも、練習中にはアドバイスすることもありましたけど、それ以外で口うるさく言うことはありませんでした。あくまでオフですし、年齢差もあったので気を遣った部分もあります。

 周平は長打力が魅力ですが、現在はアベレージヒッターになり、初めて打率3割でシーズンを終えられるかもしれない。年齢も20代後半になりますし、今のスタイルのままいくんでしょうね。それならば、もっと突き抜けてほしいという期待もあります。ゆくゆくは3割3分、3割5分を打てるバッターになってほしいです」

──井端さんは中日時代、星野仙一監督と落合博満監督のもとでリーグ優勝を経験していますが(落合監督時代の2007年はリーグ2位から日本一)、両監督の違いなどを教えてください。(「危険な遊具」さん・神奈川)

「星野さんは『動』、落合さんは『静』という印象です。

 星野さんは、二軍から上がってきた選手をいきなりスタメンで使う傾向がありました。僕も1999年にチームがリーグ優勝をした時はずっと二軍だったんですけど、次の年は開幕一軍でたくさんチャンスがもらえた。優勝した次の年はあまりメンバーを変えずに戦いたい監督さんが多いと思うんですけどね。若手だった僕にとっては、思い切りのある星野さんが監督で助かった部分があると思います。

 落合さんも、新人の大島(洋平)を一番・センターで開幕から使ったりしていましたけどね。星野さんに比べると、メンバーを固定してその力を高めていくタイプだったと思います。シーズンの戦い方も一回決めたらほぼ変えない。星野さんとは別の強さがチームに生まれていましたね」

(後編につづく)

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