ロッテ1位・鈴木昭汰、プロ断念から4年。挫折を経て身につけたスキル (4ページ目)

  • 永田遼太郎●文 text by Nagata Ryotaro
  • photo by Sankei Visual

「自分のなかでは合格点をつけられるような内容じゃない。防御率などの数字がよくても、勝たないと意味がない。チーム状況があまりよくないなかでも粘って、抑えて、流れを呼ぶのがエースの役割だと思っています。そこはもっと突き詰めていかなきゃいけない部分だと思っています。どんな時でも勝たせるのがエースの仕事ですから......」

 そして鈴木は大学生活の4年間を振り返り、こんな言葉を残した。

「ここまで来るのに、苦しいことのほうが多かったと思います。下級生の頃は挫折も味わって、いま振り返れば『4年間はすごく充実していた』と言えるんですけど、当時は本当に苦しかったです。ただ、それがなかったら自分はここまで来られなかったのも事実です。下級生の時に試合に出られない時期を過ごしたからこそ、1回のチャンスをモノにできるスキルを身につけられたのかなと思っています」

 たしかに、鈴木は大学3年秋からの1年で自分を見事にアピールしてみせた。これはプロ入り後も大きな力になるに違いない。

 現在、ロッテは左の先発、リリーフとも不足している。今季の陣容を見ても、年間を通して先発ローテーションを守った左投手は小島和哉ただひとり。リリーフ陣も、20試合以上登板している左投手はひとりもいない。

 そういう意味で、鈴木にかかる期待は大きい。チャンスをものにして、一軍のマウンドで躍動できるのか。ルーキーイヤーから目が離せない。

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