杉内俊哉、門田博光...自業自得や不幸なケガに泣いた男たち (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • phoho by Kyodo News

 記憶に新しいところでは、昨シーズンにDeNAのスペンサー・パットンもやらかしている。8月3日の巨人戦で2点リードの8回表に登板するも、坂本勇人に適時打を浴びて同点とされ、1死も奪えずに降板。怒りのあまりにベンチの冷蔵庫を殴り、利き手である右手の小指を骨折した。リリーバーとして42試合に登板して22ホールドを挙げていただけに、本人にとってもチームにとっても痛い離脱になった。

 巨人の元助っ人外国人、ダン・グラッデンは選手を殴って取り返しのつかないケガを負った。1994年5月11日のヤクルト戦、西村龍次が投げたインハイの球にグラッデンが激高。止めに入った捕手の中西親志にアッパーカットを食らわすと、両軍ベンチから選手が飛び出して大乱闘となった。

 グラッデンは中西ともみ合った末に右手の親指、左手の小指を骨折して出場選手登録を抹消。代償はあまりにも大きかった。同試合ではグラッデンと中西、この投球が2度目の危険球と判断された西村の3人が退場。1試合に3人の退場者が出たのは史上2度目の出来事だった。

 ここまでは本人の責任が大きいケガばかりだが、予想だにしない「不幸なケガ」を負ってしまうケースもある。南海やオリックス、ダイエーで活躍し、通算567本塁打をマークした門田博光もそんなケガを負ったひとり。オリックス時代の1989年9月25日のダイエー戦で本塁打を放ちホームインした門田は、次の打者のブーマー・ウェルズとハイタッチ。するとその直後に苦悶の表情を浮かべ、右肩を押さえながらうずくまった。

 チームメイトは「何が起きたんだ?」と事態が理解できない様子だったが、門田の右肩は脱臼していた。ベンチ裏でトレーナーが応急処置を施して関節を元に戻すも、関節の周囲の筋肉を捻挫。1週間ほどの戦線離脱を余儀なくされた。

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