広島が狙うべきは即戦力投手の獲得と鈴木誠也の後継者探しだ (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 そこで栗林の一本釣りの可能性が出てきたわけだ。栗林のよさは最速153キロというスピードよりも打者の手元で加速するボールの強さだ。大卒(名城大)の社会人だが、本格的に投手を始めたのは愛知黎明高校2年の時からで、まだまだ伸びしろが期待できる。

 大学生にも即戦力の逸材がいる。慶応大の木澤尚文(右投右打)、亜細亜大の平内龍太(へいない・りゅうた/右投右打)、法政大の鈴木昭汰(左投左打)は実戦能力に長け、先発、リリーフどちらでも適性がある。

 なかでも平内はリリーフとしての適性が高そうで、クローザー受難の広島にとってはうってつけの人材ではないだろうか。絶対的守護神へと成長してくれれば、投手力は劇的に変わるはずだ。

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 そして今回のドラフトで広島がやるべきもうひとつのミッションが、鈴木誠也の後継者探しだ。近い将来メジャー挑戦の噂もあり、実現するかしないかは別として、チームの顔というべき選手の後釜は早いうちに見つけておきたい。

 推薦したい選手は、中京学院中京の元謙太(内外野手/右投右打)と花咲徳栄の井上朋也(内外野手/右投右打)だ。ともに中距離型だが、ツボにくれば楽々とスタンドインできる長打力も秘め、走攻守にバランスの取れた選手だ。

 広島には、今シーズン出場機会を大幅に増やした坂倉将吾(22歳)や、2年前のドラフト1位・小園海斗(20歳)、今季一軍デビューを果たした、羽月隆太郎(20歳)、林晃汰(19歳)など、徐々にではあるが次の世代の若手たちが芽を出し始めている。

 まだまだリーグ3連覇を達成した時の中心選手を脅かすまでには達していないが、数年後に向けての土台づくりは着々と進んでいる。その足場をさらに強固なものにするためにも、今年のドラフトでどんな選手を指名するのか注目したい。

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