ヤクルトが獲るべきドラフト候補たち。将来の正捕手育成にも本腰を入れたい (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahikophoto by Ohtomo Yoshiyuki
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 くわえて牧原はバッティングにもたしかな技術を持っている。タイミングを外されながらも軸だけはキープして、インパクトの速さでスタンドまで持っていくなど、プロ顔負けのバッティング技術の持ち主だ。「打てる捕手」の素質もある万能タイプだ。

 チームを見渡すと25歳以下の左打ちの外野手がひとりもいない。いち押しは、東海大相模の山村崇嘉(右投左打)。今夏の甲子園交流試合では"遊撃手"として鮮やかなフィールディングを披露していたが、あれだけ動けるなら外野手としても相当なレベルに達するはず。

 バッティングも美しい角度で伸びていくライナー性の弾道は、思わず見とれてしまう。また、サウスポーを苦にしないのも大きなアドバンテージだ。神奈川屈指の左腕・安達壮汰(桐光学園)のスライダーを左中間に弾丸ライナーで破った一打は、たしかな技術と才能が詰まった一打だった。

 どういうチームをつくっていきたいかという将来のビジョンがしっかりしていれば、自ずと獲得する選手は決まってくると思う。今年に関しては、投打とも逸材が揃っており、チームづくりの土台を固めるには絶好のチャンスである。

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