西武は「これでもか!」と投手を指名すべき。米国帰りのあの選手も候補だ (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 たとえば、慶応大の木澤尚文(右投右打)の投げっぷりは大先輩の鈴木哲を彷彿とさせるし、これまで西武のリリーフ陣を支えてきた平井克典にやや陰りが見えてきた今、そのポジションにピタッとはまる気がしている。150キロ前後のボールをベルトよりも低いゾーンに集められて、鋭く曲がるカットボールという勝負球もあって、十分にその役目を果たしてくれるのではないだろうか。

 今年は2位以降で獲得できそうな即戦力系の左腕が何人かいる。こういう時は「これでもか!」と有望な投手を続けて指名してみるのもひとつの手だ。

最速152キロを誇る法政大のエース・鈴木昭汰最速152キロを誇る法政大のエース・鈴木昭汰 2位で法政大の鈴木昭汰(左投左打)、3位でENEOSの藤井聖(左投左打)と立て続けに大学、社会人の即戦力左腕で攻めてみるもの面白い。

 鈴木はスライダー、チェンジアップで打者を翻弄し、150キロ近いストレートで仕留める。立ち上がりの力み癖が解消されれば、ローテーション投手として活躍してくれるだろう。

 社会人2年目の藤井は、実戦で忙しく投げるようになったのが昨年の秋あたりから。東洋大時代は上茶谷大河(現・DeNA)、甲斐野央(現・ソフトバンク)、梅津晃大(現・中日)の"三羽烏"と同期だったため、神宮のマウンドをほとんど踏んでいない。

 そのため、どれほどの器で、どんな適性があるかわからない。しかし、ベース付近でも減速しないストレートの強烈さと、打者よりの位置でキュッと曲がって落ちる変化球は一級品だ。

 そして西武にはもうひとり、リリーフの1イニングなら即戦力の期待がかかる"デッカイ隠し玉"がいる。アメリカから帰国して、現在BCリーグの埼玉武蔵ヒートベアーズに所属している田澤純一(右投右投)だ。

 田澤の持っている技量はもちろんだが、経験値と引き出しの多さもチームには必要なはずだ。若さを頼りに練習に励む経験不足の投手たちにとっては、何よりの"生きた教材"になるはずだ。

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