小久保裕紀、サブロー、谷佳知...。「出戻り」選手たちの悲喜こもごも (4ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • phoho by Kyodo News

 出戻り後に結果を出せずとも、人望の厚さでベンチに必要とされている渡辺直人のようなケースもある。2010年オフに金銭トレードで横浜への移籍が発表された際、当時のチームメイトだった嶋基宏、鉄平ら、渡辺を慕う数多くのチームメイトが涙を流して放出を悲しんだ。その後、2013年にトレードで西武に移籍。2017年10月に戦力外通告を受けると、翌月には楽天への復帰が発表された。

 2018年は69試合、2019年は19試合の出場で、今季は一軍の打撃コーチ兼任として選手としての出場機会をうかがっていたが、9月に現役引退を発表した。ベンチで若手にアドバイスを送り成長を見守る姿、一緒に喜び合う良き兄貴的存在の渡辺は、楽天にとって大きな力になっている。

 プロの出発点となったチームへの恩返しを誓い、期待どおりに活躍する選手と苦しむ選手がいるのが、プロ野球という厳しい世界。今オフも、どの選手の野球人生に動きがあるか、目が離せない。

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