阪神は失策数12球団ワースト。大学屈指の「名手」をW獲りせよ (2ページ目)

  • 安倍昌彦●文 text by Abe Masahiko
  • photo by Ohtomo Yoshiyuki

 昨年のドラフトで阪神は2位で履正社の主砲・井上広大を獲得。その井上は1年目からファームの中軸を任され、7本塁打を放つなど将来のクリーンアップ候補として早くも頭角を現している。

 広大、朋也の"井上コンビ"が実現すれば、猛虎打線復活のきっかけになるのではないか。球界に数少なくなった"右の大砲"を2枚揃えられる絶好のチャンスだ。ここは迷いなく、1位で獲得してほしいものだ。

 さて、ディフェンスの弱さについてだが、スーパープレーをする派手な選手より、守備範囲に飛んできた打球を確実にアウトにしてくれる、そんな堅実無比タイプが必要。欲をいえば、"走攻守"三拍子揃った選手が理想だが、今年のアマ球界にそういう内野手は見当たらない。

ドラフト1位指名候補はこの12人だ!>>

 もっとも、三拍子と見込んで上位で獲った選手ほど、プロに入って見たら意外と"一芸"だったり、逆に一芸だと思っていた選手がメキメキと力をつけて三拍子揃った選手になったり......。

 源田壮亮(西武)や福田周平(オリックス)はその代表的な存在だし、ルーキーの小深田大翔(楽天)にもその兆しが感じられる。

 そんな可能性を感じる守備タイプの選手が大学にいる。小川龍成(国学院大)と矢野雅哉(亜細亜大)は、昨シーズンから不動のショートストップとして活躍している名手である。

 小川のフィールディングには"年季"を感じる。大学生に"年季"という言葉は違和感があるかもしれないが、小川の守りを見ていると、捕って投げるという動作を何千回、何万回と繰り返しやってきた確かな技術が見てとれる。派手さはないが、確実にアウトにしてくれる安心感。チームとして守りを根本的に変えていくなら、こういう人材は絶対に必要だ。

 一方の矢野は強肩がウリの遊撃手で、その強さはプロでもトップクラスだろう。それでいて、強肩の選手にありがちな強引さはなく、間違いないなくプロで売り物になるスローイングだ。昨年秋のリーグ戦では打率.415をマークして首位打者を獲得。決して守備だけの選手ではないことを証明して見せた。

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