監督・原辰徳について岡田彰布が語る。
「本当に強い巨人を創ろうとしている」

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

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 巨人・原辰徳監督が9月11日のヤクルト戦に勝利し、川上哲治氏を抜いて球団史上最多となる監督通算1067勝目を挙げた。2002年に監督に就任し、2度の休養期間はあったが、昨年復帰し、今季で通算14年目となる。球史に残る名将となったわけだが、原監督とはどんな指揮官なのか。かつて対戦相手としてしのぎを削りあった元阪神監督の岡田彰布氏に聞いた。

巨人軍監督として歴代最多となる1067勝を挙げた原辰徳監督巨人軍監督として歴代最多となる1067勝を挙げた原辰徳監督── 岡田さんと原監督は、2006年から2008年までの3年間、それぞれ阪神、巨人の監督として戦われました。その時は監督としてどのような印象を持たれていましたか?

「あの頃は、阪神と巨人と落合(博満)さんの中日の3チームが優勝を争っている状況で、最後まで気が抜けないというか、どうやって戦えばいいか、いつも考えとった。2006年は原が2度目の監督になった時で、その前の堀内(恒夫)さんとは違う野球をするなという印象があった」

── その違いというのは、どういうところで感じましたか?

「野球が攻撃的やったよね。オレとか落合さんはどちらかといえば守り中心で1点をどうやって守るかという野球やったけど、原はどうやって点を取るかを考えていた。ただ選手の能力に頼るのではなく、点の取り方にもバリエーションがあった。試合終盤のしびれる場面で盗塁を仕掛けてきたり、勝負どころと見れば早い回であっても代打を出してきたり......とにかく積極的に試合を動かしてくる印象があった。天性の勝負師タイプやね」

── 戦いづらさはありましたか。

「そらあったよ。ひとつのミスが命取りになるから。継投にしてもワンテンポ遅れてしまうとやられるし、だからといって相手の仕掛けに対して過剰に反応しすぎてもいけない。いかに試合の主導権を握らせないか、そればっかり考えとったわ。もう腹の探り合いよ(笑)」

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