山本昌が対戦してみたかった現役打者
「球界を代表するバッターになる」

  • 栗田シメイ●文 text by Kurita Shimei
  • photo by Koike Yoshihiro

── 清原さんに関しては、やはり一発の怖さがあったということでしょうか。

山本昌 そうですね。清原は逆方向に大きい当たりを打てるバッターで、アウトローの変化球をすくわれてライトスタンドに放り込まれたことがありました。ただ、清原は好不調の波が激しい打者で、悪い時はそれほど怖くないんです。でも、調子がいい時は手がつけられない。どのコース、どの球種にも対応してきますから。それに清原が打つと球場が盛り上がって、チームに勢いがつく。なので、細心の注意を払いながら投げていました。

── 古田さんは球史に残る名捕手です。当然、駆け引きとかあったのでしょうか。

山本昌 古田は同じ歳で今でも仲がいいのですが、現役時代は打たれた記憶が強いですね。通算成績でも3割後半と打ち込まれていると思います。やはり、配球を読むのがうまかった打者でしたね。

── 印象に残っている対戦はありますか。

山本昌 どの対戦というのはないのですが、神宮球場での試合は、普段よりも長いバットを持って打席に入っていたんです。アウトコースのスクリュー対策として。当時の神宮は今よりも狭かったですし、その球を拾われてスタンドインというもの何回かありました。古田が打席に入ると、何を狙っているのかなと、必要以上に考えてしまうというのがありましたね。シーズン中、何度も食事に行きましたが、今にして思えば手の内を探られていたのかもしれないですね(笑)。

── 対戦してみたかったバッターは誰ですか。

山本昌 32年間現役を続けていたので、ほとんどの打者は対戦しているんですよね(笑)。イチローや松井(秀喜)とも対戦していますし......。やっぱり、王(貞治)さん、長嶋(茂雄)さんには一度でいいので投げてみたかったですね。野球人として憧れはあります。

── 現役の選手だと誰になりますか。

山本昌 ヤクルトの村上(宗隆)ですね。彼のスイングは本当にすばらしい。マウンドに立って、彼がどれだけすごいバッターなのか確認してみたいですね。間違いなく球界を代表するバッターになるでしょうし、ホームランだけでなく、打率も残すバッターになると思います。

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