なぜDeNAの助っ人はハズレがないのか。獲得で重視する「3つの基準」 (2ページ目)

  • 石塚隆●文 text by Ishizuka Takashi
  • photo by Kyodo News

 実力は申し分ないのに、日本の野球にアジャストできず期待外れに終わる外国人選手は少なくない。DeNAが外国人選手を見極めるうえで重要視しているのはどの部分なのだろうか。

「基本的に技術的な部分は、進藤さん、ロペス、ハンセルが評価するのですが、野手でいえばやはり日本人選手にはない魅力を持っていること。一番わかりやすいのは『パワー』ですね。さらに技術的な部分で言えば日本の野球に対応するためには逆方向に打てなければいけない。つまり変化球に対応し、『広角に強い打球が打てること』が条件になります」

 日本の野球に適応できる技術の有無はもちろんだが、そのうえで壁谷氏がとくに重視するのが、その選手の性格や人柄だ。内面性こそが日本での成否のカギになると壁谷氏は確信している。

「大事なのは『ハングリー精神』で、そこを一番に見ています。たとえば、アメリカで実績のある外国人選手は日本の野球を見下したり、お金のためだけに契約することがあります。ですので、必ず面接をして、なぜ日本でプレーをしたいのか聞くことにしていますし、選手を見極めるうえでとても重要なことだと考えています」

 これらのプロセスを含め、2012年シーズンからスタートしたDeNA体制にあって、最も大成した外国人選手といえば、日本で2年連続ホームラン王に輝いたソトだろう。

 ソトは2017年の秋、横須賀にあるファーム施設で入団テストを受けているのだが、当時はソトが自らDeNAに売り込んだと報道されていた。しかし、それは若干異なると壁谷氏は言う。

「横須賀のテストで最終決定したというのは事実ですが、じつは我々がソトを招いてのことだったんです。ソトは2014年からスカウトのロペスがマークしていた選手のひとりでした。2013年と2014年にMLBのシンシナティ・レッズに昇格し期待されていた選手なのですが、その後フォームを崩してしまいメジャーに定着することなくマイナーでプレーしていました。

 そして3Aと2Aを行き来していた2017年にあらためてロペスがチェックした時、打撃フォームが変わっていることに気づきました。ステップの仕方を変え、変化球への対応もよく、外角のボールを逆方向にもっていけるようになっていたんです。ロペスは『これは新たな発見だし、掘り出し物だ。たぶんオレ以外はソトをマークしていない』と報告してきました」

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