セ・リーグのクローザーに異変が続出。岩瀬仁紀が追究したその原因 (3ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Koike Yoshihiro

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── クローザーとしては1点差を同点にされてイニング途中で代えられると、「信頼」という意味では監督に対して疑心暗鬼になりますか。

「なりかねますよね。いくらコメントで『信頼しているから』と言われても、ああやって代えられると、どうしてもそう思ってしまうところがあります。でも、監督の考え方もわかります。抑えとしてのプライドが崩されますけど、自分が打たれたから信頼を失っていることは本人がわかっています。今度は、どうやって信頼を取り返すか。ピッチャーは、監督から言われたところで投げるしかできません。7月30日の巨人戦では7回を投げましたけど、そういうなかで信頼を取り戻すしかありません。

 たとえば『ファームに落とせ』とか、いろんな意見がありますよね。でも、いくらファームで結果を出しても、一軍はまったく別の場所です。ファームで抑えたから自信になるかと言えば、そういうレベルの選手ではない。結局、一軍にいながら自分の状態を取り戻していくしかありません」

── 7、8回を投げることと、9回を投げることに、プレッシャーの違いはありますか。

「ありますよ。やっぱり7、8回はまだ残りのイニングがあるので、そこで試合の勝敗が決まるわけではありません。『何とか後ろにいい形でつなぎたい』とか、『何とかゼロで抑えて後ろに回す』という気持ちで僕はやっていました。9回は簡潔に勝ち負けに関わるところです。抑えれば勝つし、打たれれば負けるという単純なところなので......。でも、その単純さが一番難しいんですけどね」

── クローザーは勝敗を含め、チームの全部を背負わないといけない?

「はい。先発が投げて、中継ぎのピッチャーを何人もつないで自分のところにバトンが渡ってきたときに、全員のいいものを背負って投げています。それを生かすも殺すも自分次第。その難しさはありますね。7、8回というのは、まだゲームが動いているなかでの結果です。そういった部分では、9回を投げる意味合いはちょっと違いますよね」

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