ヤクルト山崎晃大朗に「二軍に落ちるぞ」。石井琢朗が2年前に伝えたこと (4ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

 4年目、山崎は80試合に出場し、キャリアハイとなる打率.274を残す。シーズン限りで退団が決まっていた宮本コーチは、自身のヘッドコーチとしての時間を総括するなかで、山崎の名前を挙げた。

「この前、宮出(隆自)コーチとも話をしたんですけど、この2年間だったら山崎がいちばん伸びたというか、一軍でそれなりに必要な選手になっているんじゃないかと。奥村も守備が上達しました。山崎にしても奥村にしても、吸収したいという気持ちが強い選手でした」

 そして迎えたプロ5年目の今シーズン。高津臣吾監督は山崎の打順をこれまでの1、2番や下位に据えるのではなく、5番を多く任せるなど大胆な起用を見せている。

 先日、山崎は今シーズンのここまでの結果について、こんなことを話している。

「今年はいろいろな打順を打つことがありますが、たとえば5番なら、それまでの打者の出塁率が高いので、得点圏ではランナーを還さなければいけないですし、ノーアウトで4番の村上(宗隆)が出塁したら送る。バントは苦手ですが、(成功すれば)あとの誰かが還してくれます。打順こそ5番ですが、出塁することやランナーを進めることが自分の仕事だと思っています」

 8月2日現在、打率.324でリーグ9位。チャンスにも強く、得点圏打率は.355をマークし、打点14はすでにキャリアハイとなっている。

「(技術面の向上については)わかんないです(笑)。自分は基本的に不器用なので、同じ練習を続けてきました。それがやっと形になってきたのかなと。チームには青木さんや川端さんがいますので、いろいろと話を聞いています」

 青木からは、左の腰を使って、もう少しポイントを前にしたほうが飛距離は伸びるんじゃないかというアドバイスをもらったという。

「『毎日トレーニングして、自分の体を知ることが大事だぞ』という言葉が印象的でした。自分自身、腰で打つということがいまひとつわかっていないのですが、これからしっかり理解していければと思っています」

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