DeNA大家友和コーチが選手に伝えたい。「球団が選手と契約した意味」 (2ページ目)

  • 高橋安幸●文 text by Takahashi Yasuyuki
  • photo by Sankei Visual

「たとえば、一軍なのか、ファームなのかというのがあります。キャンプが始まる前だったら、まさに一軍・ファームの振り分けがありますから『何で自分がファームスタートなんだ?』と疑問に思うことも、ひとつモチベーションが下がる要因のひとつになり得るでしょう。

 そこで僕が選手に言うのは、『絶対、チャンスがあるよ』っていうこと。間違いなくチャンスがあるから、何に取り組んでいこうかと。ファームスタートだからって、誰も『おまえはダメだ』なんて言っていないのに、もう契約のことは忘れているんです。本当に必要とされていない選手なら契約してないって話なので。まずそこから始めなきゃいけない選手もいるかもしれません」

 一軍・ファームの振り分けは監督とコーチが決めることで、選手にはどうすることもできない。だから疑問に思っても仕方がない。

 それよりも、球団と新たな契約を結んだ事実を思い出すこと。こう助言されたら「チャンス」という言葉の意味合いも変わってきそうだ。

「チャンスという意味では、試合に出られないときに『何でチャンスをくれないんだ』となって、モチベーションが下がる選手もいると思います。その場合、こちらからの説明の仕方によっては納得するし、納得しないこともある。また、時間が解決するときもある。そういう面で、モチベーションというのは非常にデリケートなところがあります。

 ただ、いちばん困るのは、自分でコントロールできない部分において悩み続けることで、それは非常に苦しいんです。僕自身、やはり現役時代にそれで苦しんだときがあったのですが、『コントロールできるのは自分自身なんだ』ということをよく理解してもらうしかないですね」

 自分でコントロールできないことが原因でモチベーションが下がり、悩みそうになったときは、自分自身をコントロールすることが大事になる。一方では、まったく反対に、自分でコントロールできないことだからこそ、モチベーションを上げる選手もいるという。

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