井端弘和が吉川尚輝の足りない点に言及。巨人新戦力と二塁手争いも語った (2ページ目)

  • 寺崎江月●取材・文 text by Terasaki Egetsu
  • photo by Kyodo News

──守備に関してはいかがでしたか?

「打球を体の正面で捕ることを大事にしすぎていたように思います。逆シングルで捕りにいけば2、3歩ステップを減らせるところを、無理に正面に入ろうとしてランナーを無駄に走らせてしまった場面がありました。ただ、20歳の選手としては十分に動けています。走力、長打も打てる打撃を強みにしていけば、近い将来にレギュラーとして活躍できる素材です」

──2015年の育成ドラフト1位から頭角を現した増田選手は、6盗塁で失敗はわずか1。7月19日のDeNA戦では、9回表1アウトから代走で出て二盗に成功し、丸佳浩選手の当たりの強いヒットで生還する"神走塁"も話題になりましたね。

「当然、彼もレギュラーを目指していると思いますが、代走としての地位を確立できたのは大きな前進ですね。ゲーム終盤に出てきてアウトにならないというのは、ベンチとしてはすごく助かると思います。彼の走塁で優れているのは"思いきり"。そこは、私が走塁コーチをしていた時もそうですが、教えたくても教えられないんですよ。走力自体もかなり能力は高いですし、球界屈指の足のスペシャリストになりつつあるんじゃないでしょうか」

── 一方で、大卒3年目北村選手は、セカンドのスタメンで起用されることが増えてきました。ここまで打率.323の成績と結果を残している理由はどこにあると見ていますか?

「オープン戦では少し調子が上がっていないように見えましたが、開幕後に吉川(尚輝)の調子が上がらず、湯浅が力を発揮できなかったことで得たチャンスを活かしていますね。レギュラー格の選手たちの調子が悪い中で一軍に呼ばれた時は、いい意味で開き直ることができるものなんです。私も現役の若手時代に、一軍でチャンスを掴んだ際には『ここで活躍したらレギュラーになれるかも』とポジティブに考えていました。

 北村は十分に結果を残していますが、現時点では吉川や増田との併用になっています。彼にとっては我慢の時。今後も与えられた仕事をきっちりこなしていけば、スタメン起用の機会がさらに増えていくでしょう」

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る