真中満が好調ヤクルトをガッツリ分析。「4番の穴」の発想はなかった (5ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 投手陣を見てみると、今年も苦しい状況は続いている。チーム防御率4.56はリーグ4位。先発投手がクオリティ・スタートを達成したのは9試合と厳しい数字となり、開幕投手を任された石川雅規は上半身のコンディション不良で登録抹消となっている。

「今年に関しては、開幕が3カ月遅れたことが影響しているのか、他の球団も投手の調子が上がりきらない。先発投手になかなか勝ちがつかないと言われていますが、僕は数字はあまり気にしていません。ヤクルト投手陣の内容はいいと思っていますよ。先発が早めにマウンドを降りることが多いですが、他球団と比べたら、ヤクルトのブルペン陣はよく抑えています」

 ヤクルト救援陣は、ホールド数をリーグダントツの33個稼いでいる。貴重な働きをしているのが、清水昇(2年目)と寺島成輝(4年目)の2人。先発投手と期待され、ドラフト1位で入団した投手たちだ。プロ入り後、結果が残せずに苦しんでいたが、その才能が今、花開こうとしている。清水は11イニング連続無失点を記録し、寺島も安定感をみせ、念願のプロ初勝利も飾った。

【画像集】白石麻衣さんの大はしゃぎな始球式の記事はこちら>>

「清水、寺島ともに打者に向かっていけるようになった印象です。最近は勝ちゲームでも投げますが、場面問わずとても落ち着いている。寺島は僕が(監督時代に)見ていた時よりも球速が10キロくらい速くなっていますよ。結果を出すことで先発に回ることもあるでしょうし、将来が楽しみな投手になってきました」

 さて、もうすぐ8月に入ろうとしているが、コロナ禍の影響で開幕が遅れ、シーズンはまだ始まったばかり。これから長く続いていくリーグ戦の中で、真中氏はヤクルトのキープレーヤーを誰と考えているのだろうか。

5 / 7

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る